2021年2月11日,映画「ファーストラヴ」が公開されました。
直木賞を受賞した島本理生さんの同名サスペンス小説を堤幸彦監督のメガホンで映画化したものです。
とは言っても,私はまだ見ていないので,この映画の内容について語ることはできません。
申し訳ないです。
そこで,今回は,主演の北川景子さんが演じている公認心理師について,
どんな職種なのか紹介していきます。
目次
公認心理師とは
2017年9月15日に公認心理師法が施行されたことにより,
心理職の中で初の国家資格として,公認心理師が誕生しました。
これまで3回の試験が行われ,合計で43,720人が合格しています。
業務の内容として,公認心理師法第二条に以下のように挙げられています。
- 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し,その結果を分析すること
- 心理に関する支援を要する者に対し,その心理に関する相談に応じ,助言,指導その他の援助を行うこと
- 心理に関する支援を要する者の関係者に対し,その相談に応じ,助言,指導その他の援助を行うこと
- 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと
簡単に言うと,
①クライエントとその周辺者に対して,問題を見立てて援助を行うこと
②心の健康に関する知識の普及を図ること
ということになります。
ちなみに,公認心理師でない者が名称の中で「心理師」を含めることは法律で禁じられています。
そのため,公認心理師でもないのに「〇〇心理師」と語る人がいたら信用してはいけません。
(「心理士」はセーフです。)
臨床心理士と何が違うの?
臨床心理士という資格のほうが利き馴染みがある方が多いと思います。
臨床心理士は民間の資格であり,1988年から始まっています。
2020年4月時点で37,249名が認定されています。
日本臨床心理士資格認定協会によると,業務内容は
- 臨床心理査定
- 臨床心理面接
- 臨床心理的地域援助
- 1~3に関する調査・研究
とされています。
ざっくり言えば,1~3は公認心理師と同じです。
4の内容を比べれば,
公認心理師は国民への啓蒙活動,臨床心理士は研究活動を
積極的に行うという点で,すみ分けがされているようです。
大学院を出ていることが必要であること,倫理規定が厳格であること,更新が必要であること
などから,臨床心理士の方がより専門性は高いです。
ただし,現状は区別して採用の枠が設けられていることはほぼないですし,
どちらかの方が就職に有利ということはないと感じています。
公認心理師は儲かるの?
収入において臨床心理士と差はなく,
平均して年収300~400万円と言われています。
人によっては,1000万円稼げる人もいるみたいですが,
儲からない人が多いです。残念。
ただし,まだできたばかりの資格なので希望はあります。
医療,教育,福祉,司法,産業それぞれの領域への専門資格や,
病院への業務を保険診療とすることなどが検討されています。
これらによって専門性やニーズが高まれば,
自ずと収入も上がるでしょう。そう思いたい。
公認心理師になった人たちの活躍次第とも言えるかもしれません。
公認心理師になるには?
受験資格を得て,年1回行われている試験に合格する必要があります。
受験資格は,
大学において定められた25科目を履修して卒業した上で,
①大学院で法律で定められた10科目を履修する
②定められた実習機関で一定の実務経験を積むこと
のどちらかが求められます。
ただし,公認心理師法(2017年)が施行された時に大学や大学院に入学していた人には,
履修科目が減免される経過措置が適用されます。①・②は必要です。
また,公認心理師法が施行された時点で「心理職の業務」に5年以上従事していた人には,
現任者としての経過措置(受験資格の特例)が5年間適用されます。
現任者講習会を受講することで受験資格を得ることができます。
試験範囲は膨大で難易度は割と高いです。
2020年12月に行われた試験の合格率は53.4%でした。
終わりに
すでに公認心理師に合格されている方も,これから目指すという方も,
心理職の地位向上を目指して頑張っていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。